年始の 2017/1/5 ~ 2017/1/8 に米国ラスベガスで開催された CES 2017 では、前回に引き続き今回も VR / AR が一大トピックとして取り上げられていました。個人的に注目していた AR 分野ではメガネ型デバイスが多くブース展示されていました。その中でも特に良い出来だと感じたものが Osterhout Design Group (以下 ODG) の R-8 / R-9 です。
※画像出展 : ODG R-9 公式
スペック概要
R-8 / R-9 は透過型のスマートグラスで、仕様上の性能が高く目を見張るものがあります。
- Qualcomm Snapdragon 805 2.7GHz Quad-Core Processor (CPU)
- GPS / Glonass (位置検出)
- 6 軸トラッキング (向き検出)
- Android ベースの Reticle OS を搭載
- 通常の Android アプリも必要
- 明るさの自動調整
- Bluetooth 5.0 / Wi-Fi 802.11ac / USB Type-C による外部アクセサリ接続
- 高フレームレートカメラ
- デュアルマイク
- 指向性スピーカー
内容 | R-8 | R-9 |
---|---|---|
視野角 | 40°以上 | 50°以上 |
重さ | 約 127g | 約 184g |
解像度 | 720px | 1080px |
記憶容量 | 64 GB | 128 GB |
価格 | $1,000 以下 | 約 $1,800 |
出荷予定時期 | 2017 年内 | 2017 Q2 |
入力はメガネのツルの部分にあるタッチセンサーで行えるほか、スマホアプリやキーボード、マウスなどと無線接続して行うこともできるそうです。
Microsoft HoloLens との比較
以下の動画では ODG AR メガネと HoloLens での見え方の違いを比較していますが、全く引けを取らない美しさやパフォーマンスが見て取れます。ただし、CES 2017 のブース展示で見た範囲では綺麗に表示されているが周辺を暗くし過ぎて (= サングラス具合がキツくて) 回りが見づらいというのは感じました。
ODG AR メガネは HoloLens に比べて小さく軽量という大きなメリットがあります。対して HoloLens は空間認識ができ、モーションによるインタラクティブな操作ができます。また Full Windows 10 が動作するため、Windows エコシステムをそのまま利用できる圧倒的な強みがあります。Reticle OS がどこまでできるのかは見極めていく必要がありますが、Android ベースでかつ外部アクセサリと連携が可能というだけでも期待できるデバイスのひとつなのではないかと思います。
まとめ
ODG AR メガネ、HoloLens などのデバイスはそれ単体でどうこうと言うよりも、外部のデバイス / AI / Bot / Drone などとの連携によってよりパワーを発揮するのだと考えています。そのような連携を支える基盤となり、かつ単体での描画性能も正統に進化してきているというのを CES 2017 で感じることができました。