Grani Engineering Blog

株式会社グラニはC#を中心として、ASP.NET、Unity、VR開発を行っています。

Room-Scale Mobile VR の可能性

2017/1/5 ~ 2017/1/8 に米国ラスベガスにて開催された CES 2017。世界最大の家電見本市と言うのは本当で、非常に多くの製品やデバイスの展示がなされていました。その中でも特に気になったもののひとつが Room-Scale Mobile VR として LYRobotix が展示していた NOLO です。

https://scontent.xx.fbcdn.net/v/t31.0-8/15875395_356429498070344_1314860561549668494_o.jpg?oh=089c66c262632114f62da4a5ab39926d&oe=591873FC 画像出展 : NOLO Facebook 公式

特徴

これまでルームスケールで VR を実現するには HTC Vive や Oculus Rift のように専用のトラッキングセンサーが必要で、Daydream や Gear VR のようなモバイル VR では実現されていませんでした。しかし、この NOLO を利用すればモバイル VR を手軽にルームスケール化することができるようになります。

  • 6 軸モーショントラッキングが可能
  • ワイヤレス *1
  • 低レンテンシ *2
  • バッテリー寿命が長い
  • センサー/コントローラーが非常にコンパクト (= 手軽に持ち運びできる)
  • 奥行 6 m くらいまでトラッキングできる *3
  • 希望小売価格 $149 と安価 *4

デモ動画

公開されているデモ動画では PC と有線接続されていますが、これはプレイ画面の出力のためのようで、プレイするだけならワイヤレスで実現可能とのことです。センサーの小ささや着脱の容易さが伺えます。

ブース体験

CES 2017 のブースでは Google の Tilt Brush をプレイすることができました*5。低レイテンシと謳いつつも体感としてはかなり問題がありましたが、説明員によると「会場の Wi-Fi 環境が非常に悪いため」とのことでした。

https://scontent.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/15871717_356881781358449_2791179951162430403_n.jpg?oh=8f71456132efd191845b0bd41f554b97&oe=591B8F04 画像出展 : NOLO Facebook 公式

まとめ

スマホと NOLO だけ持って出かければ、どこでもカジュアルにルームスケール VR 体験ができる。そんな未来が本当にすぐそこまで来ているのだ素直に感じました。どの程度相互干渉があるのかが不明だったりブース体験でのレイテンシ問題などまだ課題はあるかもしれませんが、今後十分注目してよい領域なのではないかと思いますし、NOLO の体験によって今後のモバイル VR への期待感が高まりました。

*1:程度は不明。

*2:程度は不明。

*3:ブースで CEO から受けた説明による。公式サイトでは 13 ft (= 3.9 m) で記載されている。

*4:先着 100 人限定で $89 で販売予定。

*5:Tilt Brush は HTC Vive にしか対応していないはずだが実際にプレイできた。本体 PC の画像を飛ばしているだけなのかは未確認。