CES2017では、昨年に引き続き各ブースでVR関連製品が展示されていました。目立ったものでも、ワイヤレスPC、ヘッドマウントディスプレイ、センサー、サウンドだけにとどまらず、OLEDなどの部品に至るまで多種多様な広がりを見せています。
今回は私が特に注目した、両手両足へ触覚のフィードバックができるコントローラを紹介します!
両手両足に触感が宿るデバイス「Taclim(タクリム)」
動きによる入力と、触覚のフィードバックに対応したVRデバイスで、両手に持って使用するグローブ部分と、両足に履いて使用するシューズ部分があります。
開発は株式会社Cerevo。Taclim用にカスタマイズした最新鋭のタクタイル・デバイスを合計8つ搭載。VR空間の映像や音声に合わせてシューズとグローブが触感をフィードバックすることで、両手両足にフィールド内の砂や鉄板の踏む触覚や敵を殴った時の衝撃が感じられます。
ファンタジー世界へいざ!
体験したのは、一人称視点で歩いて迫りくる敵を倒して城の中を進んでいくデモ。両手両足にTaclimを付けてその場で足踏みをします。敵が来るとグローブを持った手でパンチ!コントローラーが振動することで、ちゃんと殴っている感覚がします。
また、砂や鉄板の上を歩いて進むと動きに合わせて、ザッザッという音と感覚がします。その場で足踏みをするため、完全にフィールド内を歩いている感覚とまではいきませんでしたが、感触はまさに歩くときの感覚でした。
手へのフィードバックまでなら、HTC Viveのコントローラと同じで体験したことがある感覚でしたが、足の裏に感じる素材が変わる感覚まで組み合わさると「ちゃんと歩いているんだ」、と実感して筆者は少し感動してしまいました。
デモが終了し、デバイスやヘッドマウントディスプレイを外すとわずかに汗をかいていて、知らず知らずのうちに結構動いていたことに驚きました。
感じた可能性
筆者はこのデバイスは家庭に置くというより、アーケードやジムなどにおいて、ゲームはもちろんフィットネス関係でも活躍しそうだと感じました。なんたって普段3分しないうちに足踏み運動をやめたくなる筆者がそれ以上の時間を夢中で足踏みしてしまったのですから。ジムに置かれているVRデバイスですとICAROSもありますが、ICAROSと同様にぜひとも楽しいフィットネスがTaclimで登場することを、筆者は期待しています。
Taclimの発売は2017年秋頃、価格は10~15万円程度を予定です。
スペック(公式サイトより)
項目 | スペック |
---|---|
グローブ部・本体サイズ | 50 ×50 ×147 mm(W×D×H) |
シューズ部・本体サイズ | 290×100×140 mm(W×D×H) |
搭載センサー | 9軸(加速度、角速度、地磁気) |
タクタイル・デバイス数 | 8(グローブ部1×2、シューズ部3×2) |
ワイヤレス接続 | BLE(Bluetooth 4.1)Sub-GHz(Japan 920MHz/USA 815MHz/Euro 868MHz) |
充電方法 | Micro USB |
利用時間 | 約2時間(2秒に1回振動した場合) |
充電時間 | 約3時間 |
開発環境 | Unityプラグインを提供予定 |
※開発中のため製品仕様は変更になる可能性があります
参考: (公式お知らせ)世界初の触感センサー搭載VRシューズ&グローブ「Taclim」開発